今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
それなのに西原くんはうんざりするどころか優しくて。
本当になんてありがたい友達なんだろう。


「誰かに聞いてみるとか」


「……」


「みんな食堂にいると思うよ、お兄さんの知り合いがいたら聞いてみたら?」


「ううん、そこまでしなくてもいいよ……」


たとえ番号を教えてもらえたとしても今の彼が電話に出てくれるとは限らない。


合宿に来られないくらい忙しそうだから。


それとももしかしたら、来られない別の理由があるんだろうか。


私と顔を合わせたくないとか?


まさかそんなことないよね。


「うわっ」


悶々と悩んでいたらいきなりお腹がキューッと鳴って恥ずかしかった。


朝から何にも食べていなかったので限界だったみたい。


「聞こえた?」


「ううん、なにも」


慌ててお腹を押さえた。


西原くんは絶対に聞こえているはずだけど、笑ったりしなかった。
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