今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
そう言った彼の表情がせつなげに見えてビクンと胸が震えた。


時々、私を見つめるその眼差しにドキッとするくらいの色香を感じてしまう。


「え、何言ってるの、どういう意味?」


彼が何を言ってるのかさっぱりわからない。


だけど、テーブルに肩肘をついて瞳を細めるしぐさが、犯罪級にカッコいい。


「そのうちわかるよ」


今度はなぜか爽やかに笑うので、私もハハッてつられて笑った。


その時に彼の指から逃げるように顔をそらした。


これ以上、唇に触れさせたらいけないような気がした。


すると兄は残念そうに小さくため息をついた。
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