今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「どうして?」


「だってお兄ちゃんが」


「またお兄ちゃん?」


呆れたようにため息をつかれた。


「……」


「お兄様にだってそのうちに彼女ができるよ。そうなったら千桜のことだって今ほど束縛しなくなるんじゃない?」


「そんなことされてない」


束縛なんて強い言葉にドキッとした。


「束縛って言うか、支配?って感じかな」


「まさか」


「いや洗脳かも」


「ちょっと、歌ちゃんったら」


どんどん物騒な言葉が飛び出してくるからギョッとする。


「お兄ちゃんはそんなことしないから」


反論したら歌ちゃんに面白そうに笑われた。


「違うよ、千桜」


「え?」


「お互いにってことだよ」


「ん?」


彼女の言ってる意味がよくわからなくなってきた。
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