今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
イケナイことだとわかっていても抗えない。


「ごめんチー」


「翔くん、も……ダメ」


ドキドキしすぎて意識が遠のきそう。


「や……め…ハア」


吐息が漏れて、変な声が出ちゃうから死ぬほど恥ずかしい。


「ハアッ……ンッ」


どうしてただ抱きしめられてるだけなのに、こんなになっちゃうの私。


「チーごめん、もう少しだけこのままでいて」


「まだ大丈夫、兄妹だから。まだ超えてないから」


彼は独り言みたいに小さく呟く。


翔くん、わからないの?


どこまでだったら兄妹でも大丈夫かなんて、そんなこと考えてる時点で。


もうアウトなんだって。
< 96 / 443 >

この作品をシェア

pagetop