【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。



『俺はキスをしたいって思ってるよ』


 そう哉斗くんはゆっくり手話をする。彼の方を見れば、彼も顔が真っ赤になっていてチラッと見える耳も赤かった。


『私も、したい』


 私は、右手の親指と人差し指を開いて顎の下に当て指を閉じながら下に下げた。哉斗くんは腕がくっつくくらい近くに寄ってきた。すると自分のコートを脱ぐと私の頭に掛ける。


『どうしたの?』

『もう、頂上だから』


 そう、ゆっくり言うと哉斗くんが近づいてきて距離は全くなくなり唇が重なった。


『美央、好きだよ』

『私も好き。哉斗くんが大好き』


 コートの中で二人、手話で言葉を伝える。
 想いを伝え合い、とても幸せを感じた。ずっとこんな日が続きますようにって願いながら私たちはキスを何度も交わした。








 

 
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