【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。



 なぜ、今私がこんなにドレス選びをしているのかというとそれは……来月に婚約パーティーがホテルにて行われることになって、そのためのドレスだ。


『美央、これがいいと思うのだけど』


 哉斗くんは、ラベンダー色の花柄レースとシフォンプリーツを組み合わせた透け感があるロングドレスの一着を持って来た。


『美央は、ピンクとかそういうふわふわって感じのが似合うと思うし短いのよりロングの方が可愛いと思うんだ』

『素敵。私、これ好きです』

『それなら良かった。一応、試着してみて』


 そう言われて私は哉斗くんからドレスを受け取ると試着室のドアを閉めてからドレスに着替える。いい色合いで私好みのデザインだ。回転しながら一人鏡を見てからドアを開けた。


『どうでしょうか?』

 
 哉斗くんの目を見て問いかけると、彼は『めちゃくちゃ可愛い、似合いすぎ!』と手話で興奮した顔で言った。


『良かった。私も、このドレス気に入りました。これにします』


 彼はお母さん達に私の言葉をそのまま伝えてくれたようで今度はドレスに合わせた靴を決めることになったのだが、さっきまでの着せ替え人形は嘘かのように哉斗くんが即決で決めてくれたためドレス選びは終了になった。

 その後は、哉斗くんとお出かけする予定なのでお店を出ると私はお母さん達とは別れた。



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