お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。


『……茉白ちゃん』
「なに?」


『優しいね』
「優しいのは健くんだよ」


『……俺はぜんぜん優しくないよ。俺は茉白ちゃんが碧くんを好きなの知ってるのに、アプローチしようとしてるし』





その言葉が耳に届いた直後、目に入った流れ星。
わたしは慌てて3回願い事を心の中でいった。今度は健くんの顔を頭の中に思い浮かべながら……。


「いえた!ちゃんと3回心の中でいえたよ!」


2回も成功するなんて!
無事に2つ願い事ができてよかった。


『すごいじゃん!』
「これで健くんはずっと元気でいられるはず!」


『ありがとう、茉白ちゃん』
「ううん!」


『夜遅くなのに電話してごめんね』
「ぜんぜん大丈夫だよ!むしろ感謝してる!健くんが電話してくれなかったら、流星群のことすっかり忘れて寝ちゃってたもん!」


『そっか、それならよかったよ。もし……よかったらなんだけどさ、また電話してもいい?』
「もちろん!」


友だちと電話なんて、本当に夢みたいだ。
もっと仲良くなれるといいなぁ。大親友超えて、大大親友になりたい。


せっかくラインも交換したんだから、たくさんメッセージも送ろう、っと。

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