官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
DAY7 また会いにくるよ

 鈴島を出た後、これからのことについて貴裕さんと話し合った。

 私達が一番心配したのは、やはり貴斗のことだった。

 この一週間で貴斗はすっかり貴裕さんに懐いていて、おぼろげながら『パパ』というものがどういうものか、わかってきているような気がする。

 三人での生活を始めることに不安はない。でも気がかりは、諏訪島を出て全く環境の違う東京で暮らすことだった。

「すぐに島を出て東京に住むのは難しい気がするの。素子さん達とも別れることになるし」

 生まれた時から一緒にいる素子さん、智雄さん夫婦や雄ちゃんと突然離れ離れになるのは、きっと貴斗にとって大きなストレスになる。

「そうだな。俺も貴斗に寂しい思いはさせたくない」

 大変かもしれないけれど、しばらくはお互いに東京と諏訪島を行ったり来たりして、徐々に慣らしていこうということになった。

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