狂犬に愛される覚悟
狂犬の嫉妬
すると最近入ってきた社員の男が、なにやら愛妃に話しかけている。
二人はとても楽しそうに話していた。
「なんであんな、楽しそうなんだよ…!?」
機嫌が悪くなっていく、零王。

煙草を吸う量が多くなり、零王の足元に吸い殻がたまっていく。
最後の一本を吸い終わり、空き箱をクシャッと握り潰した。
もうすぐ愛妃の仕事終わりなので、従業員出入口の方に向かった。

そして愛妃が出てくる。
「愛妃」
「あ、零王!いつもありがと!」
「うん…」
「ん?どうしたの?」
「寂しい…」
「え?零王?」
「ギュッてしてよ?愛妃」
「うん…」
零王の首に両手を回して抱き締めた、愛妃。
「零王、帰ろ?
帰ったら、渡したいものあるの」
「うん」

それからマンションに帰りつき、一緒に手洗い・うがいをしてソファに移動した。
ピタッとくっついて座る、零王。
その間ずっと落ち込んだように、雰囲気が暗い零王。
「零王?もう一回ギュッてしよ?」
と、両手を広げて愛妃が言った。
零王が愛妃を抱き締めた。
そしてそのままソファに押し倒し、組み敷いた。

「え……?零王…?」
「ねぇ…エッチしよ…?」
「え?ちょっと、待って…それは後からね…?」
「やだ…今すぐにしたい!」
「どうしたの?いつもはそんなこと言わないのに……
零王?ンンン……」
零王は、愛妃の口唇を奪うようにキスをして貪った。
零王は基本的にワガママは言うが、愛妃に無理強いはしない。
愛妃に嫌われたくないから。
でも先程の社員の男とのことがあり、嫉妬心が膨れ上がっていた。

とにかく今すぐに愛妃が自分のモノだと実感しないと、壊れそうだった。
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