金魚鉢
 私は雪のもので。

 雪も私のもので。


 私たちは一緒に落ちていったの。


 陸から海へ。

 空から水へ。


 ずぶずぶ、ぶくぶく。

 落ちていったの。


 罪も罰もない、ただ二人だけの世界に。


 こうして、私は金魚鉢に囚われた。

 私のために空っぽになった、あの哀れな金魚鉢の中に。


 そこはびっくりするくらい、呼吸がしやすかったの。
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