君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「すげー! 恐竜だ!」

「すごーい! でもこのお花もすごいよ! さすが幼稚園の先生」


 四人に鶴の折り方を教えると、その後脱線してリクエストに応えていろいろなものを折っていった。

 園でも折り紙は人気の遊びで、子どもたちからもリクエストに応えられるよう、日々いろいろなものを折って練習している。

 家にも折り紙はいつも常備していて、折り紙の折り方の本も何冊も持っているほどだ。


「練習したらみんなもなんでも折れるようになるよ。鶴みたいにね」

「えー、本当?」

「うん、本当だよ。私も毎日いろいろ折ってるから折れるようになったんだ」

「あ……」


 そんな話をしながら鶴を折っていたとき、みんなの視線が入り口のほうに一斉に向けられていることに気がついた。

 誰か来たのだと思ったと同時、勝手に入ってしまったことがまずかったかと焦る。

 慌てて振り返ると、そこに立っていたのは久世先生だった。

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