君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「舞花先生、ブランコ押しに来てー!」


 教室の隅で子どもたちの作った紙粘土の人形を広げた新聞紙の上に並べていると、さっき出ていった数名の子どもたちが教室の入り口から顔を出した。


「みんなの作った動物並べ終わったら行くねー。少しだけ待っててー!」

「はーい!」


 幼稚園教諭になりすまいる幼稚園で勤めて五年。うちの幼稚園では中堅ほどの立場になった。

 今年は年長のクラスを受け持たせてもらったけど、年少年中も担任は経験済。

 どの学年も子どもたちはみんな可愛い。

 子どもの頃から小さな子が好きだった私は、大きくなったら保育園か幼稚園の先生になりたいと漠然と思っていた。

 その夢は高校生のときには完全に固まり、進路は幼稚園教諭の資格が取れる大学へと進学した。

 子どもたちの製作物を片付け終え、約束通り園庭へと出ていく。

 午前中のクラス活動を終え、どの学年も外遊びの時間。

 今日は澄み切った快晴で気温も程よく、春らしい外遊び日和だ。


「舞花先生!」

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