異世界(に行ったつもり)で糖質制限ダイエット
16話 目玉焼き



朝は目玉焼きだった。

目玉焼きに ハムチーズトースト二枚 牛乳そして毎度お馴染み千切りキャベツ
千切りキャベツの上には ツナサラダらしきものが乗っていた。

今日もサラダからもりもり食べる。

トーストのパンは 白くない。
ホールウィートのカンパーニュ?みたいなのを薄目にスライスしてある。片手で丁度持てるくらいの幅だ。食パンを半分にしたサイズ。
パンの上にスライスしたハムとチーズをのせてトーストしてあり、粗挽きの黒胡椒がかかっている。

『ザクッ』

歯応えのある香ばしいパン

「んんっ?」

パンの表面に実がくっついていて、ローストされた風味がひろがる。

「松の実?」

「ひまわりの種ですよ。パンを焼くときに生地の上にまぶしました」

「香ばしくて美味しいです!」

イシルは嬉しそうに微笑みをかえす

チーズはいわゆるスライスチーズ。のびないやつ
チーズの風味とハムの塩気、ひまわりの種の香ばしさがたまらない。そして黒胡椒がいいアクセントに。

「こうして食べても美味しいですよ」

イシルは目玉焼きをチーズトーストにのせる

『サクッ』

一口食べて微笑む

「ちょっと食べにくいですけどね」

いやいや、キレイな食べ方ですよ
私がやったらべたべたになりそう……でものせるけど。

サクラもチーズトーストに目玉焼きをのせる。

『カジッ……もぐっ』
「ん~!」

半熟のかんじがたまらない!
わぁっ!たれる(汗)

黄身が落ちないようパンと格闘しながら口をうごかす

「サクラさんは口にいれすぎなんですよ」

イシルが面白そうに笑う
お、なんか知らんが笑いがとれた

「じゃあ、こんなのもアリですね」

サクラはキャベツの上のツナサラダを二枚目のチーズトーストにのせる

「いいですね」

今度はイシルがサクラに賛同する

『『ザクッ』』

二人でツナハムチーズトーストにかぶりつく

「今日は川に行きましょう」

「川ですか?」

「ええ、そろそろ魚が食べたくなってきましたから」

「魚釣りですね!」

「ええ」

今日の任務は魚の確保か

「サクラさんと二人きりでのんびりしたいので」

またそんな意味深な言い方を……返答に困るだろう!

「……がんばります」




◇◆◇◆◇




「すみません、お待たせしました」

支度をして玄関にいくと イシルと黒猫がいた

「大丈夫ですよ、じゃあ魔物よけを……」

「えっ!?」

魔物よけって()()ですよね!?デコキスですよね!?

すっ と 額にイシルの手が触れ、サクラの前髪をあげる

「!!」

そして イシルの喉元が目の前にくる

「……」

「……?」

次に来るであろうアクションがないので不思議に思い目線を上げると イシルがこっちを見ていた。
顔!近い!!

「そんなに身構えられては傷つきますね……」

「す、すみマセン!不慣れなもので!!決してイヤとかそう言うんじゃなくてですね、あの、なんていうか」

クスリと笑うと イシルはサクラの手をとり……

「?」

そのまま自分の口許にもっていき……

『??』

指先にキスをした

『ちゅっ』

Σ(@□@)!!

「これでいいでしょう」

行きましょう と、先に歩く

いやいやいやいやイシルさん!?
不意打ちが過ぎますよアナタ!!
指先て……
デコより余計唇の感触とかつたわっちゃったじゃないすか!
柔らかさ、とか、温もり、とかさ!
それはそれで恥ずかしいすよ!
そして置いてかないでイシルさん!

「なんだ、くるんですか?」

『ニャウン』

「折角二人なのに……」

『……』

「自分が食べる分くらい自分で捕ってくださいね」

『ニャー』

こうして休日の朝が始まった












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