中島くんは私を離さない





「先生、どれ乗りたいですか?」
「中島くん、先生呼びはここではいいよ」


「あー、じゃなんて呼べばいいですか?」
「呼びたいようにでいいよ」


「じゃ、瑠璃って呼ぶ、あと敬語で話さないようにする」
「分かった、私は聖弥くんって呼ぶね」


「呼び捨て」
「えっ?」


「呼び捨てで呼んで」
「あ、うん」


男性から呼ばれるのはちゃん付けより呼び捨ての方が慣れてるからいいけど、私が呼び捨てで呼ぶのは勇気がいる。


「今呼んで」
「せ、いや」


「よく出来ました」


頭ポンポンされて手を繋がれた。


私が年下みたいな気分。


そして顔が真っ赤かになってる。


「瑠璃、照れてる?」



顔を下に向けたら覗き込むように中島くんが口角を上げてこっちを見てくる。



「…照れてない」


できるだけの抵抗。


「可愛い」
「もうやめて」



中島くんは鼻で笑って、


「どんな瑠璃も可愛いから、よし行こっか」


中島くんは人を照れさせる天才なのかも。
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