中島くんは私を離さない



「里帆、説明して」
「一昨日から瑠璃が風邪で休んだじゃん?それで中島くんが職員室に来たの」



「瑠璃にお見舞いに行きたいから瑠璃の家を教えて欲しいって」
「は??」


「もちろん最初は反対したよー、いくら瑠璃の生徒だからってお見舞いに行く必要はないって、だけど、」
「瑠璃が好きで諦められないから毎日アタックするからどうかお願いしますって言われたの」


「それで教えたの!?」
「しょうがないじゃない!何度も何度も言われたの、もう数え切られないくらい」



里帆が弱いのか中島くんが強いか分からない。


多分どっちもだろう。


「えー、、、」
「えーじゃないよ、もう折れるしかなかったのごめんー」


ありえない話が起こってる。


中島くんの根気も褒めたくはないけどすごいし、里帆も生徒が先生を好きなの反対してないようだし私の家を教えたのに反省してないみたいだし目をキラキラさせてるし…



「中島くん、絶対に私の家を誰かに教えないでね、それとケーキ食べて早く帰って」
「え、ずっとそばに居ますよ」



「何言ってるの?」
「だからそばにいるって言ってるんです」


「そんなのいいよ、まだ完全に治ってないし1人でずっと寝てたいの」
「だったらキスだけでもさせてください」



「何言ってるの中島くん!!」
「なにキスって」


「えーとね里帆、、」
「俺、告白してからずっとキスしてるんです」


1番知られたくないことが里帆に知られてしまった。


「えー!!!」
「里帆それはね、、、」


「キスしてるのに付き合ってないの2人!?」
「されたくてしてるわけじゃないの、毎朝中島くんが無理矢理してるだけ、もう避けられないから仕方がなく、ほんとーーーーに仕方がなくキスしてるだけ、触れるだけのキスだから!」


誤解されないように必死に説明するけど里帆は困惑から段々ニヤニヤしはじめてる……



「学校キスはやばいでしょバレてないの!?」
「西階段だから多分見られてないはず、」


「そうかー、じゃいいんじゃない?」
「里帆?何がいいの?ねぇ!!!」


「生徒とキスなんてドラマじゃんドラマ!!主人公みたいで禁断だけどキュンキュンしてみたいんだよねー」
「もう里帆何も言わないで」


「頑張ってね瑠璃、応援してるよ中島くん」
「もうやめて」



まさかの里帆が肯定するから私は劣勢。



里帆も教師という職業に誇りを持っているから生徒との恋は(私は恋してない)反対すると思っていたのに、


応援するなんてあり得ない。


ドラマの展開より予想できなかった。


「もう私は帰るね、中島くんといい時間を過ごすんだよ」
「お願いだから一緒に帰って」



「でも本人はキスしたいって言ってるんだから私がいたら邪魔でしょ?私のケーキは瑠璃食べてね!それじゃまたね!!」


里帆は私よりるんるんして家を出ていった。


私の風邪がもっと悪化しそう。



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