浮気 × 浮気
ジリジリと秋本陸に近き、至近距離で睨みつけたその時……
秋本陸の肩越しに、私たちを見つめる明里が目に入った。
………………いいタイミング。
私は頬の緩みを耐えきれなくなりながらも、徐に秋本陸の体に腕を回した。
「ちょ、なにす」
そう驚き声を上げた秋本陸は無視し、強引に体の向きを変えた。……横から私たちの様子がしっかりと明里に見てもらえるように。
そして、唖然とした表情で私を見る秋本陸にフッと笑いかけた後、私は背伸びして強引にキスをした。