浮気 × 浮気

咄嗟に危険を察知した私は、大声を出して人に知らせようとしたけれど、先を読まれてしまったのかまんまと口を塞がれてしまう。


「悪いけど大人しくして?別に悪いことはしないから」


そう言って私の太ももへ手を滑らせた。
そして強引に床へ体を押し付けられ、手や足を強く抑えられる。

逃げようと必死にもがくけれど、3人掛りの男たちの力には敵う訳もなく、いとも簡単に拘束されてしまう。

恐怖で涙が目に滲む。どうしたらいいのかも全く分からない。もう、ダメだ…。

そう諦めかけた時だった。


________ゴンッ


そんな鈍い音がしたのと同時に体の拘束が解かれたのを感じた。

私は一体何が起こっているのか理解出来ず、ただ呆然と寝かされたままでいると、頭上から降ってきたのはとてつもなく低く、冷たい声で。


「クソみてぇなことしてんじゃねぇよ。とっとと消えろ」


その声は暗い路地裏に低く鋭く響き渡り、男3人組を呆気なく立ち去らせた。

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