浮気 × 浮気

記憶


❁❀✿✾

翌日。

昨日捻った足を少し庇いながら家を出れば、陸が既にもう私のアパートの前で待っていてくれていた。


陸と目が合うや否や、私は咄嗟に笑顔を作り、陸に片手をヒラリと上げたが、なぜかすぐに視線をそらされてしまう。


「陸、おはよう」


近づいてそう声を掛けるも、陸は素っ気なく「……おはよう」と呟くように放っただけ。


ぎこちなく気まずい雰囲気のまま、私たちはおもむろに歩き始めた。

いつにも増して陸の表情は重く、口数も少ない。その上、態度も冷たい。


いつもの陸なら、昨日のことについてなにか話してくるはずだ。なのに、陸の口からは何も発せられようとはしない。

そればかりか、目すら合わそうとしない。


何を考えているのかも分からず、何について怒っているのかも分からない陸に次第に怒りが募り始める。


「ねぇ、陸」


そう名前を呼ぶも、陸は何も言おうとしない。


「なにか怒ってるの?」


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