浮気 × 浮気


「うん、楽しかったよ!安定だった!気にかけてくれてありがとうね!」


変に悟られないようそう明るく言い放てば、一瞬雪が表情を歪めたことに気づいた。

だけどそれについて聞く間はなく、雪は私に続けて口を開いた。もちろん、いつもの笑顔で。


「そっかそっか〜!いいなぁ!世の中にはさぁ、浮気されちゃうような女の人もいるのに…明里は本当に愛されてるよねっ!」


一瞬、心臓が大きく飛び跳ねたけれど、私はなんとか笑顔を崩さずにいた。

確信をつくような…まるで、何かを知っているような…そんな雪の口ぶりに少し違和感を感じたけれど、それはきっと何かの勘違いだと、私は雪にそれ以上何も言わなかった。


そうこうしていれば、会社の最寄り駅に着き、私は雪と一緒に改札口を出た。


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