浮気 × 浮気


そう言った木嶋さんは何だかとても辛そうに見えた。そんな木嶋さんについ何も言えずにいると、頬に添えられていた手が足元へと移動した。


「ヒール折れてるじゃないですか」


とつぶやくように言った木嶋さんに、私は思わず口を開く。


「木嶋さんを走って探してたら折れた」

「……俺を?」


なんで?とも言いたそうな顔で私を見る木嶋さんに私は言葉を続けた。


「仲直りしたかったの。私の軽率な行為で怒らせてしまって本当にごめんって…週を超えちゃうまでにどうしても謝りたかったから」


そう言うと、木嶋さんは申し訳なさそうな表情を浮かべた。


「全部俺のせいで、」


なんて表情を暗める木嶋さん。


「ごめんなさい」そう言おうとしている木嶋さんの頬を両手で挟み込むようにして触り、私と視線が合うようにクイッと顔を持ち上げた。

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