【完】狂犬は欲望中毒。
強張っていた体の力が抜けていく。
た、助かった……?
いや、状況は何も変わってない。
どうしよう。
男がいない隙にここから逃げる?
……そんなの無理だよね、前方からやってくる男相手に逃げられる気がしない。
だったら……男が部屋に入ってきた瞬間に生まれる隙をついて逃げるしかない。
一度きりのチャンスだ。
私が人質になったままだと、左和季君が下手に動けなくなってしまう。
それだけは避けたい。
左和季君が危ない目に合うのだけは嫌だから。
どうにかして自分の力で逃げなきゃ……!