ねえ、気づいてよ……
車から降りてきた女の子は、そう言った。


めっちゃ、可愛い。


茶色の髪はツインテールで、目は大きくて、スタイルもすごくいい。


突然、別世界の子が現れた気分。


「怜!会いたかったよぉ......」


その子は、そう言って怜に抱きついた。


その様子を見て、ちょっとだけ、ムッとなる。


怜とその子は美男美女って感じで、すごくお似合いに見えた。


......何考えてんだろ。


「離せよ、愛香」


怜は冷たく言い放ったけど、愛香と呼ばれた子はまるで聞いてない。


「ねえ、これから2人でご飯食べない?話したいこと、いっぱいあるの!」


この子、すっごく甘え上手だ。


しかも、その仕草全部が似合ってる。


こんな頼まれ方したら、いくら怜でも断れないよね。
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