離してよ、牙城くん。
わたしと椎名さんの会話が一旦終わると、静かに聞いていた花葉が、椎名さんに控えめに問いかけた。
「椎名くん、【狼龍】の副総長さん……ですよね?」
「ん? まあ、ただのナギくんの代わりだけどねえ」
「謙虚なところも素敵です!」
「俺、謙虚なんだ? ナギくんにも言ってあげてよ、それ。
オレ、花葉チャン気に入ったしさ」
「っっまじですか!!」
「マジマジ〜。ナギくんに物申せる女なんて、モモチャンときみと……、だけだしねえ」
不自然に言葉を切った椎名さんを不思議に思いつつも、苦笑いを浮かべる。