離してよ、牙城くん。

どようびの牙城くん



.




「あ〜疲れた!」




午後22時38分。


結局あのあと、花葉のお家にお邪魔してたくさん話した。




花葉のご両親は今日は不在らしく、
泊まっていくか とも尋ねられたけれどさすがにそれは憚られ、断った。


けれどわたしの家とは徒歩10分ほどの距離のため、せめて花葉の寂しさが埋まるまでは居させてもらおう……と思っていたら、こんな時間になってしまったのだ。




女子高生がこんな時間まで……、とよくないと感じるひとも多いと思うけど。


わたしの家族は当たり前に帰ってこないから、誰も心配しない。





……いや、お母さんはこんなこと許さないかもしれない。


だけど、七々ちゃんのほうがやばいことをしているからか、わたしにもあまりなにも言わなくなったんだ。






「それじゃ、帰るね」







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