わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
疲れたからソファに座って「私は自分のホテルに荷物を置いているし、夕飯は中華街に行きたいです!」と出かけることを提案した。
「靴も、買いに行こう」
足元に跪いた宮燈さんが、私の靴を脱がせながら言うからびっくりした。確かにスーツに合わせた飾り気のない黒いハイヒールだから、可愛いワンピースには地味かもしれない。
「いつも靴は壊れるまで履いてるから、服に靴を合わせる習慣が身についてないんですよね。すみません。可愛い靴があったら欲しいです!」
私がそう言ったら、宮燈さんが少し笑う。やっぱりさっきから笑ってる気がする。こんなに表情を変えてる宮燈さんって珍しいと思って、私は恐る恐る聞いた。
「あのー……勝手にめちゃくちゃ言ってしまいましたけど、私の方こそ嫌いになったりしてませんか? 大丈夫?」
「大丈夫、というか、もっと桜が好きになった」
急に好きとか言うから、私の顔は真っ赤になったと思う。「……だからぁ……そういう甘い言葉を囁く時は微笑んでくださいよう……」と言ったら、無表情だった宮燈さんが一瞬笑ってくれた。え、好き。