わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
03. 橘部長に閉じ込められる
ずっとキスされて、いつものよう力が入らなくなったから、私は抗うのをやめた。
内定式で宮燈さんの姿を見てから、ずっと触れたかった。触れて欲しかった。言葉すら交わさずにいた一週間が辛かった。こうして二人だけで会いたかった。
好きって思いながら私からも舌を絡めると、宮燈さんが私の手を解放して、髪を撫でてくれる。
「……"橘部長"、まだお仕事中でしょ?」
「そうだな。君の言う通りだ」
宮燈さんが体を離す。私はベッドに横たわったまま、夫を見上げて言った。
「ごめんなさい」
宮燈さんは無表情のまま、一度ジャケットを脱いで、シャツとネクタイを整えていた。さっきまでと違う人みたいになる。クールなエリートに擬態した宮燈さんが、まるで部下に命令するかのように言った。
「悪いと思ってるなら、私が戻ってくるまでここにいろ」
私が頷くと、「仕事を終わらせてくる」とだけ言って部屋を出て行った。
さっきは、訳が分からないままに連れ込まれたけど、見覚えのある荷物が置いてあったから、ここが宮燈さんが泊まる部屋なんだと思う。ツインで広い。
内定者研修が終わって、宿泊希望者は宿泊棟に移動したけど、そのとき私達内定者は全員、別階のシングルだったから、こちらは役職者向けなんだろうなと思った。
暗い部屋に一人残されて、しばらくベッドの上でぼんやりしていた。
やっと直接話が出来て嬉しかった。キスしてもらって嬉しかった。何故かひん剥かれていたから、(これはシャワーを浴びておくべきでは)と思ってバスルームを使わせてもらった。
ドアはオートロックで、カードキーを持たずに外に出ると部屋に入れなくなる。私はこの部屋のキーを持っていないから、自分の部屋へ行ってここへ戻ってくる事が出来ない。着の身着のままで閉じ込められた状態だから、着替えが無くて困った。
素っ裸で出迎えたら完全に痴女じゃん! と思ったので、備え付けのルームウエアを勝手に使わせてもらう。
ポットでお湯を沸かしていると、宮燈さんが戻ってきた。無表情だったけれど、部屋に私がいるのを確認して少しだけ視線が和らぐのを感じた。
「おかえりなさい、宮燈さん。お仕事お疲れ様でした。お話してもいいですか?」
「その前に、もう少しだけ君に触れてもいいか?」
「え?」
内定式で宮燈さんの姿を見てから、ずっと触れたかった。触れて欲しかった。言葉すら交わさずにいた一週間が辛かった。こうして二人だけで会いたかった。
好きって思いながら私からも舌を絡めると、宮燈さんが私の手を解放して、髪を撫でてくれる。
「……"橘部長"、まだお仕事中でしょ?」
「そうだな。君の言う通りだ」
宮燈さんが体を離す。私はベッドに横たわったまま、夫を見上げて言った。
「ごめんなさい」
宮燈さんは無表情のまま、一度ジャケットを脱いで、シャツとネクタイを整えていた。さっきまでと違う人みたいになる。クールなエリートに擬態した宮燈さんが、まるで部下に命令するかのように言った。
「悪いと思ってるなら、私が戻ってくるまでここにいろ」
私が頷くと、「仕事を終わらせてくる」とだけ言って部屋を出て行った。
さっきは、訳が分からないままに連れ込まれたけど、見覚えのある荷物が置いてあったから、ここが宮燈さんが泊まる部屋なんだと思う。ツインで広い。
内定者研修が終わって、宿泊希望者は宿泊棟に移動したけど、そのとき私達内定者は全員、別階のシングルだったから、こちらは役職者向けなんだろうなと思った。
暗い部屋に一人残されて、しばらくベッドの上でぼんやりしていた。
やっと直接話が出来て嬉しかった。キスしてもらって嬉しかった。何故かひん剥かれていたから、(これはシャワーを浴びておくべきでは)と思ってバスルームを使わせてもらった。
ドアはオートロックで、カードキーを持たずに外に出ると部屋に入れなくなる。私はこの部屋のキーを持っていないから、自分の部屋へ行ってここへ戻ってくる事が出来ない。着の身着のままで閉じ込められた状態だから、着替えが無くて困った。
素っ裸で出迎えたら完全に痴女じゃん! と思ったので、備え付けのルームウエアを勝手に使わせてもらう。
ポットでお湯を沸かしていると、宮燈さんが戻ってきた。無表情だったけれど、部屋に私がいるのを確認して少しだけ視線が和らぐのを感じた。
「おかえりなさい、宮燈さん。お仕事お疲れ様でした。お話してもいいですか?」
「その前に、もう少しだけ君に触れてもいいか?」
「え?」