永遠に咲け
どうしてこんなひとつひとつの仕草が、心を奪っていくのだろう。
中森は咲愛の、何の穢れのない綺麗な目を見つめていた。

元々から、咲愛に特別な感情を抱いていた、中森。
毎日一緒に行動していると、益々心が奪われていく。

ふと、咲愛のつけているネックレスが目に入った。
今日、中森が選んだネックレスだ。
永久にはこれが無難だと咲愛に薦めたが、本当はもう一つ意味があって薦めたのだ。

「お二人ともよくお似合いですね!ネックレス」
「え?そう?
ありがとう!やっぱり中森さんが選んだこれがしっくりきてるよ!」
嬉しそうに、ネックレスに触れて微笑む咲愛。

「そうですね!白でしたらそんなに目立たないので、旦那様にバレないでしょうし」
「は?これ、中森が選んだの?」
永久が咲愛に問う。
「うん、私…ピンク色を選ぼうとしてて中森さんに相談したら、白の方が無難じゃないかってアドバイスしてくれたの!」
「そう…」

「白いカーネーションって、もう一つ意味があるのをご存知ですか?」
不意に、中森が二人に言った。
「え?」
「“私の愛は生きています”」
「は?」
「……って、意味もあるんですよ?
では、僕は失礼いたします。
もうすぐ夕食の準備ができます。ダイニングへお願いします」
そう言い捨てるように言って、中森は部屋を出た。

「へぇー、そんな意味もあったんだぁ。
フフ…お兄様への愛は生きていますってことだよね?
素敵……」
「………」
嬉しそうな咲愛と、複雑な永久。

きっと中森の言葉には、違う意味が込められているはずだ。

「咲愛」
「ん?
━━━━━ンンン……」
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