強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
部屋のドアが閉まると同時に、エレベーターの時と同じように、もう待てないとばかりに壁に押し付けられ唇を塞がれる。

歯列をなぞられ、空いた隙間から部長の舌が侵入してくる。

そうして口内を縦横無尽に激しく動き回る舌に、心も身体も掻き乱されて思い知る。

あの時。

ビジネスホテルでされたキスは、あれでも手加減されていたのだと。





ーー1階でエレベーターを降りた後、私をロビーの椅子に座らせて部長が向かった先はホテルのフロントだった。


「今日、帰す気ねぇけど…いい?」


このホテルの部屋のカードキーと思われる物を手に、部長は言った。

こくりと頷いて、ドッドッドッドッ、さっき部長と向井が対峙したのを見た時に感じた緊張とはまた別の緊張で、心拍数が爆上がりする。

帰す気がねぇ、そしてホテルを取った、つまりそれはどう考えてもそういうことな訳で…
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