強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「…お前絶対ドSだろ。普通女子ってこういうの苦手なんじゃねーの?」

とか言うから、

「…どうせ私は普通の女子みたく、きゃー!とか怖ーい!とか、可愛く言えませんよーだ」

と、ちょっと拗ねてたら、

「俺が好きなのは普通の女子じゃない一華だし」

と、私の頬を撫でながら悪戯っぽく口角を上げて私を覗き込む。

「…じゃあ何で普通の女子を引き合いに出したんですか」
 
むすっと問えば、

「一華のその拗ねた顔が見たかったから」

と今度はニヤリ悪い顔で笑う。

こうやって部長を揶揄おうとすると、結局私はいつも部長の返り討ちに遭うのだ。
どっちがドSだよ、と思う。

こんな風にお家デートが多い私たちだけど、ベルギービールフェスなるものにも行った。
約100種類のベルギービールとベルギーグルメが味わえるフェス。

お酒好きの私たちにはもってこいのイベントで、とにかく色んな種類のビールがあった。

フルーティーで甘味のある飲みやすいものから、スパイシーで辛味のあるパンチの効いたものまで、どれもこれも美味しかった。

ロティサリーチキンにかぶりつく私を見て、部長は肉食獣みたいだな、と豪快に笑い、フリッツというフライドポテトをもくもくと頬張る私を今度はハムスターみたいだと目を細めて優しく笑う。
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