ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

広まる噂。

奏多先輩と出会ってから、3日が経った。

あの日以来、噂が流れるようになった。


『結城 奏多の優しさに付け込む女』


噂の対象は。

……私だ。


多分、私がノートを落としたときの様子を誰かが見ていたんだろう。

奏多先輩と話している姿が、気に食わなかったんだと思う。

奏多先輩は格好良いから。

きっとファンがたくさんいるんだろう。

だから、こんなにも早く噂が広まったんだ。


噂なんて気にしなければいいのに。

だけど、気にしてしまう私がいて、噂が流れてからは奏多先輩を避けるようになってしまった。


私を見ながらひそひそと話すクラスメイトたち。

友達が欲しい、と思っていたけれど当分は無理そうだ。


お昼休み。

ひとりぼっちの時間を過ごしていることは、もう慣れた。

……窓際のこの席から見える、グラウンド。

グラウンドでサッカーをしている人がいる。

そんな日常を、ぼーっと眺めていると。
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