ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「噂って、広める人がいるから“噂”になるんだよ」

「……っ、」

「噂はひとりで歩いたりしないからね」



奏多先輩の言葉には説得力があった。


誰も反論ができない。

そんな空気が漂う中。

女子集団の後ろに隠れていた女の子が前に出た。



「結城先輩は望月さんをかばっていますけど、望月さんと付き合っているんですか⁉」



半泣き状態の彼女。

奏多先輩に抱きしめられている私。

座り込んでいる私を抱きしめている奏多先輩。

……彼女の疑問は当然の疑問だと思う。



「……付き合っていないよ」
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