ガチ恋
 夜遅くなって真白の部屋を訪ねる俺がいた。ノックして開けた真白は風呂上がりのようで髪が濡れている。それに真白からシャンプーのいい香りが漂っている。真白はピンク色の寝間着で夏ということもあり薄着だった。風呂上がりというだけで、普段見せない色気を感じた。長い黒髪は濡れていて、綺麗なストレートになっていて、柔らかい表情の顔は少し火照りを見せている。薄着もあいまって普段はめだたない胸がより一層主張している。
 色っぽいんだよな。
「何か用事?」
普段は全然訪ねる事のない俺を不思議そうな顔で訊いてくる真白に対して俺は「ああ、久ぶりにゲームをしたいと思って」と、当初の予定とは違う返答を返した。
「いいけど、手加減してよ」
ゲーマーらしからぬ発言をする真白。それに対して俺はわかってると答える。
 真白はゲーム好きではあるけれど、対戦格闘ゲームやオンラインゲームは大の苦手で正直に言って下手くそだった。人見知りはネットの世界でもそうなんだそうだ。うまい下手が関係あるとは思えないけれど、悔しがる真白の姿はとにかく可愛いので、ついつい手加減など忘れてしまうのだった。
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