となりの紀田くん



「逃げ切れたな………」





「当たり前だろ!俺の運動神経なめんなっつーの」





とドヤ顔をする俊。





よく言うよ………






「運動で俺に勝ったこと一度もねえくせに」






「おま!それ、まじ禁句!」






「まあ、俺の次に運動神経がいいのは認めてやるけどな………」






「全然、嬉しくねえww」






「こら!そこの君たち!」





「あ?」←俺
「あ………」←俊





「さっき廊下走ってたでしょ!?」





「げっ」





こいつさっきの
堅苦しい奴じゃん!
副会長だっけか?





「何、その反応?」





「いいえ、別に。で、俺らに何か用っすか先輩。」






「あ、そうそう。廊下は走っちゃダメって書いてあるでしょ!」






張り紙をピシッと
指差して怒る不知火先輩。





うわ、まじめんどくせえ。
小学校の教師かよ!





というツッコミは
心の中だけで
とどめておき





「はいはい、すいませんでしたね。」





「要~」





俺が適当に謝って
その場をやり過ごそうと
すると誰かが
不知火先輩の
名前を呼んだ。





現れたのは
もう一人の不知火先輩。





「お兄ちゃん!!」





あ、やっぱ
兄弟なんじゃん。





「早く帰るぞー」





「待って、今行くっ!じゃ、君たち!今後くれぐれも廊下を走ることのないよーに!」




と渇を入れて
兄の元へと去っていった。





これが要との出会い。
俺にとって要の第一印象は
かなり最悪だった………
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