私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。


 5月、春というより初夏を感じさせる陽気。

 風が気持ちいい〜。


 今日は久しぶりにゆずるさんとドライブで、でも行く場所は教えてくれなくて。

 「なんで、行き先を教えてくれないの?」


 私はちょっぴり不満顔。

 ゆずるさんは運転をしながら私にチラッと笑顔を向ける。

 「たまには、いいだろお楽しみ」

 まぁ〜そう言うならね。


 夕方車が到着した所は山の上にある高原ホテル。数組限定の小さなホテルでとても静かだった。


 私達はホテルの離れに案内され、食事も部屋まで運ばれ、ホテル自慢の創作料理の和食、目にも鮮やかで食べるのが持っいない。


 「この和風ステーキが舌でトロケます、なんか幸せ」

  思わず口元が緩む。

  
 目の前のゆずるさんはクスクスと笑ってる。


  もう、恥ずかしい。


 「確かに美味いよな、最高ランクの国産牛だから」

 最高ランクと聞いてビックリ!
  

 「葵が喜んでくれて、良かった、その笑顔が見たかった、秘密にして良かったよ」


 私は嬉しくて、涙腺もちょっと緩む。


 食事が終わりゆずるさんが少し散歩へ行こうと言うので部屋をでる。


 外は所々ライトアップされており、幻想的な雰囲気で、ホテルの横には小さなチャペルがあって、チャペルの前にはかすみ草の花畑が広がっており、花を浮き上がらせるようにライトアップされていた。

 
 私の一番大好きな花。
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