捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
俺はマンションへ戻るが智也のことが気にかかる。

あ、また千佳と連絡先の交換をし忘れてしまった。

これじゃあ様子が聞けないじゃないか。
千佳が連絡したくてもできないじゃないか…。 
ん?!
千佳が連絡したくてもできない?

あ…
またやってしまったのではないか…

千佳はきっと智也が痙攣した時、不安で俺に連絡したかったのではないか?

いくら看護師でも自分の子供となると別なんじゃ…。

それに今回は時間も長く心配だっただろう。 

カルテを見て安心したから、つい俺は医者目線で考えていた。

痙攣も治ってるし大したことないと判断してしまった。  

また千佳を助けてあげられなかった。
智也を助けてあげられなかった…。

千佳は看護師としてでなく、親として智也を見ていたのに俺は寄り添うこともなく、結論だけをみて「良かったな」と言ってしまった。

千佳は1人、あんなに顔色悪く疲れ果てていたのに俺は千佳を置いて帰ってきてしまった。

俺は明日も仕事だろう、と言われるがままに帰宅してしまった。

千佳は24時間ずっと1人で智也を見続けているのに。

親に休みはないのに…
俺はわかっていなかった。
親になるということを。

千佳に「もう一緒の道を歩いていけない」と言われた。

千佳は俺がいなくても智也を育てていこうと強い決心を持って産んだのだろう。

もう俺の入り込む余地はないのかもしれない。

今回のことで改めて俺のことを連絡も取れない、助けてももらえない人だと再認識したのだろう。



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