捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
千佳と智也の待つ家へ向かう。

俺はこのところ毎日のように家に寄っているが着替えもないため、夕飯を食べた後部屋に戻る生活をしている。

2人が「お帰りなさい」と迎えてくれる。

幸せすぎる…と俺は悶絶しそうになる。

千佳のご飯は智也のことを考え栄養がたくさん取れるように頑張ってるようだ。
千佳はもともと料理が上手だと思っていたが、今はさらに家庭的なものが増えたように思う。

ご飯だけ食べに寄り2人の顔をみて、夜には帰る…こんな生活良くない。

夜勤や呼び出しも多く、会うことさえままならない日もある。

俺は少しの時間でも千佳に会いたい。

智也との時間が欲しい。

それに千佳は経済的にも厳しくなってきてるのか俺には言わないが仕事を探しているようだ。

俺と結婚して、経済的に安定し、智也をゆっくり見れるようにしてあげたい。

ただ、千佳はすぐに結婚には踏み切れないようだ。

俺の両親のことを気にしているようだった。

俺の父は医者として地方の病院で働いている。
父は俺と同じ心臓外科医。
俺は意識したわけではないが、専攻を決めていくときに1番惹かれたのがたまたまそれだっただけ。

祖父も医者だった。

医者になれと言われたことは一度たりともないが千佳からすれば医者の家系、と思っているのだろう。

俺の母も祖母も医療関係でさえないのだから気にすることはないのに。

千佳の両親のことも負目に感じているのかもしれない。

俺が見る限り全く付き合いがないようだ。

千佳に聞くと産後の大変な時に助けてくれたのは幼馴染のお母さんだというから驚いた。

そこまで疎遠だったとは…。

別に家柄とか関係ない、と言っても千佳は素直には頷けないようだ。

俺は千佳には言えないが裏から手を回すことにした…
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