√セッテン
「みんないるし、パソコン立ち上がるまでに1つ報告するね」

山岡は言って俺の後ろの椅子を引き出して座った。

「例の待ち受け対策の呪符サイト、管理人さんに連絡してみたんだけど、返事なかった」

「これ?あぁ、捨てアドかぁ」

敦子が山岡から紙切れを受け取る。

捨てアド

無料で発行できるメールアカウントだ

イタズラなんかがあればタダだからすぐ捨てられる。

アドはtanatos@xxx.dream××*.com

配布されている学生アカウントで入るとウェルカム画面が立ち上がる。

保存用フォルダから、山岡の待ち受けを撮った写真データを引き出した。

河田は眉間に皺を寄せて画面に映し出された画像を睨みつけた。

死の待ち受けに映っていた、ガラス目の女。

「こぇえなぁ、これ」

「見覚えある顔か?」

「立幸館だろ。ブレザーちょっとだけ映ってる、間違いないと思うぜ」

「学生……?」

「そうだろ、暗くてよくわかんねぇけど……」

俺も画面を見る。

この目

この大きなガラスの目は

準備室で見たあの目に似てる。

「にしても、うーん、どっかで見た、絶対見た、でもそんな頻度じゃないんだよなーもっとクッキリハッキリした写真で全身とかない?」

「オーディションじゃないんだから」

敦子が言うと、山岡が笑った。

「とりあえず思い出すまで、この席お前にやる」

俺は席を河田に譲って、隣のPCに移った。

インターネットのブラウザを立ち上げて、検索サイトを開く。

「山岡、さっきのメアド貸して」
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