√セッテン
英語は思ったよりも簡単だった。

教科書の文章の穴埋めや和訳の問題、文法問題が中心で、あとは大学入試問題から適当にチョイスしただけだ。

予定より10分早くシャーペンを置く。

頭の中に開いていた教科書とノートを閉じて、頭の隅に片づける。

目を閉じて、ゆっくりと夏の風を感じていた。

山岡

泣いてたよな?


どうしたんだろう、何があったんだろう。

試験前に見た、山岡の泣き顔が頭を掠める。

あとで教室に帰ったら、河田に様子を聞かなければ。

「終了10分前ーほら、余裕こいてないで、ちゃんと見直しするっ」

俺はとりあえず裏にした解答用紙を少しめくって

学年とクラス、出席番号が間違えていないかだけ確認して元に戻した。


敦子

クラスでちゃんと試験受けてるよな


進級できなくて、芙美叔母さん泣かせても責任とれないからな。

やはり敦子も、最近調子がおかしい。

死の待ち受けのせいだろうか……


「はいはい、用紙集めるよー」

若生が俺の解答用紙をすくい上げる。

保健室を出ようとしたら、若生が俺を止めた。

「飯島に会ったら、さぼるな!って1発ぶっとけ」

「了解です」

保健室を出て、教室へ向かう。


今日は何のために保健室受験したんだか、全く意味がなかった。

敦子の奴……
< 155 / 377 >

この作品をシェア

pagetop