君と旅の途中

















「穂希が苦しんでいたの知ってたんだろ⁉ なのにっ……何で助けなかったんだよ⁉ おかしいだろ、お前穂希の彼氏だろ! 穂希の事が好きだったんじゃねえのかよ⁉」
















「彼氏、ねぇ……」

















そう勢いのままに怒鳴ると、高田はフッと眉を下げた。
















「君は純粋だね。俺があんな女好きになるとでも? 面白い話もできない、男慣れをしていない、加えていつも俺の顔色をうかがうような女なんてつまらないだろ? 俺があいつと付き合っていたのはあいつの見た目がそこそこだったからだよ」


















「っ……!」















やっぱり、俺の直観は間違えていなかった。
















こいつは……王子様の皮をかぶった悪魔だ。
















俺が怒りで震えて何も言えずにいると、高田はうっすらと笑みを浮かべて、諭すように言う。















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