きらめく星と沈黙の月
だけど、お互いの心の中で引っ掛かりがあって、それが溝を作っている。


謝って済む問題でもないし、今さら掘り返して欲しくもないだろう。


「ふーん…。まっ、事情は知らないけど、お前は最低なんかじゃないよ。俺が保障する」


……なんだそれ。


「…まぁ…ありがとな」


オギなりの優しさなのがよく分かる。


深く聞いてこないところも、わざと明るく振る舞ってくれるところも。


「あ、ちょっと6組行ってくるから、先帰っといて」


廊下でオギと別れ、そのまま2組の教室に入ると、なぜか女子にドッと囲まれた。


「え、何?」


今日、何かの日だっけ。


「蒼士くんの喧嘩したってホント!?」


「食堂にいた女子が騒いでるんだけど!ホントなの!?」
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