きらめく星と沈黙の月
そう問いかけると、陽菜は青白い顔で頷いた。


「飲み物買ってこようか?何か飲みたいのある?」


「…スポーツドリンク…」


「わかった。ここで待っててね。すぐ買ってくるから」


エチケット袋を持たせ、急いで自販機に走る。


「あれっ」


自販機の前には碧が立っていて、ちょうど何かを買ったところだった。


「何やってんの?トイレは?」


トイレはこことは反対方向だ。


…もしかして。


陽菜のため?


だからわざとバスを停めてもらったんだ。


「…相変わらず優しいね」


「去年もあぁなってたから、ずっと様子を見てただけ。これ、持ってってやって」


碧が自販機から取り出したのは、ちょうど陽菜が求めていたスポーツドリンク。


なんか…こんなことを思うのは間違ってるんだろうけど、モヤモヤしてしまう。
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