きらめく星と沈黙の月
碧からすれば私は他の女の子たちと同じ。


特別扱いなんてしてくれない。


なんなら女として見られていない。


「プレゼントは用意したの?」


「……まだ」


去年まではテキトーに選んでテキトーにラッピングして渡していたけど、今年はそうはいかない。


ちゃんとしたプレゼントを渡したい。


だからなかなか決まらないし、渡す勇気も出ない。


「明日の午前中に買いに行ってきなさいよ?夕方には始めるんだから」


「わかってるよ…」


また憂鬱が増えた。


会うだけでも憂鬱なのに、プレゼントか…。


最近、部活以外の付き合いがないのに、どんな顔して会えばいいんだろう。


碧が欲しいものってなんだろう。


「…あーあ…もうやだなぁ…」
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