きらめく星と沈黙の月
碧は、私のために本気で怒ってくれてるんだ。


“お前に傷ついて欲しくねぇんだよ!!”

“俺のために桜子が傷つくぐらいなら、自分が傷ついた方がよっぽどマシだ!!!”


碧の本気の顔。


“俺がお前を守るんだよ!!”


“俺は…自分よりもお前が…桜子が…大切なんだよ!”


本気で吐き出された言葉だからこそ、嬉しくもあり苦しくもある。


碧はいったいどんな意味でこの言葉を言ったんだろう。


あくまでも“幼なじみ”としての言葉なの…?


それとも……。


─ぎゅっ…


「…え……?」


いつもより数倍優しいハグ。


後頭部に添えられた大きな手が優しく動く。


「碧…?」


碧の体温、呼吸、鼓動を近くに感じる。
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