きらめく星と沈黙の月

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遅刻スレスレで駆け込んだ教室の雰囲気はいつもと違った。


浮き足立っているというか…ソワソワしてるというか…。


「皆、期待してくれてんだろうな」


ボソッと隣で碧が呟く。


その声は少し低かった。


「期待を裏切るわけにはいかないって考えてるでしょ」


「…まぁ」


やっぱり。


碧らしいな…。


「よっ、碧、桜ちゃん。えらい遅かったやん」


いつも通り元気なのは大雅くらいか。


「お前は相変わらず明るいな」


「そりゃそうやろ。一時間目調理実習やねんから」


いかにも大雅っていう明るさに救われ、私たちの空気が和んでいく気がした。




今日という日はやっぱり特別だ。


大雅がいくらいつも通りに振る舞っていても、発表が近づく午後になると授業どころじゃない。


秀才の碧ですら、当てられた問題に答えられなかった。


私も碧も、陽菜も大雅も、ずーっと時計とにらめっこ。
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