きらめく星と沈黙の月
けど、碧は口だけのワガママ坊主なんかじゃなかった。


実力が伴っていたし、誰よりも努力できる少年だった。


それは今も同じだ。


「クソガキだった俺を、自由にのびのび育ててくれた監督には感謝しかねぇよ」


碧は、笑いながら監督の方へ視線を向ける。


監督は昔から変わらない強面で、ちびっ子に怒号を飛ばしていた。


懐かしい。


あんな恐ろしい剣幕で怒鳴り散らかされても、碧は芯をもって自分の意見を貫いていた。


そのおかげで、よく監督と衝突し、プリプリ怒りながら私に愚痴ってくることが多かった。


「そういえばさ…碧、監督に“俺は甲子園に出る!!”って豪語したこともあったよね」


「あー、そういえばそうだな」
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