きらめく星と沈黙の月
シーン…


と静まり返った教室。


心美が顔をひきつらせて大雅を見ている。


「言ってえぇこととアカンことがあんのも分からへんのか」


「…は?」


「今回の件は野球部の問題や!なんも知らん部外者が口出すなや!!」


普段怒らない大雅が怒鳴ったことで、教室は水を打ったように静かになる。


「…桜ちゃんを責めていいんは、当事者だけや。部外者は黙っとれボケ」


誰も動かないし、誰も声を発しない。


誰にとっても居心地の悪い沈黙が続く。


「……大雅…もういいよよ、ありがとう…」


私が困ったとき、守ってくれるのも、助けてくれるのも、大雅だ。


碧じゃない。


だけど……。


やっぱり私は碧が好きなんだ。



碧は一連のやり取りを無表情で見ているだけだった─…。
< 524 / 586 >

この作品をシェア

pagetop