きらめく星と沈黙の月
「遠くになんか行かねぇよ。俺は…桜子のことが好きなんだから離れるわけねーだろ」


っ!!


トクンットクンッ


心臓が跳ね上がる。


今…好きって言ってくれた…。


碧が…言ってくれた…。


「せっかくカッコつけたのに無反応かよー。冷たいヤツだなー」


碧が立ち上がって階段を上っていく。


「あっあぁ…ま、待って…?」


慌てて追いかけて、2段登ったところにまた二人で座り直す。


「無反応なんじゃくて…その…嬉しくて…どうしていいか分かんなかったから…」


とにかく、嬉しかったことを伝えたい。


そう思って碧の顔を覗き込むと、碧は口許を緩めた。


月明かりに照らされたその仕草が、やけに色っぽくて、また心臓が暴れまわる。
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