周王 龍巳を怒らせるな
可愛くてしかたがない
そしてそれから、半年程経った頃。

同棲を始めて、一週間経った。

「穂ちゃん、ご馳走さま!
今日も美味しかった~!」
「フフ…良かった!でも、毎日食事はドキドキするね」
「なんで?」
「だって、たっちゃんの口に合うかなって、様子伺いながらだから……」
「あーそうだよね。でもいつも言ってるじゃん!
万が一不味くても、穂ちゃんが作ってくれたことに意味があるって!」
「フフ…ありがとう!じゃあ…片付けるね!」
食器をキッチンに持っていこうと、お皿等を重ねだす穂華。

「あ、片付けは僕に担当させて?」
その手をさりげなく掴んだ、龍巳。

「え?ダメだよ!たっちゃん、毎日忙しいんだから!
家のことは、私がするよ!」
そして今度はその龍巳の手を、穂華が掴む。

「それはお互い様でしょ?
僕はどうしてもご飯を作る時間はないから、せめて片付けだけでもさせて?」
「でも…私には家事くらいしかできることないし……
このマンションの家賃はたっちゃんが払ってるし、買い物もたっちゃんが出してるし……
お金、一切受け取ってくれないでしょ?」

「だから、それは一番最初に言ったよね?
穂ちゃんからは一切そうゆうの貰わないって!
穂ちゃんが、僕の恋人になってくれただけで十分なんだから……!」

「うー。
なんか、たっちゃんそれ…狡いよ…」
「フフ…わざとに言ってる(笑)!
とにかく!片付けは、僕の担当!」
そう言って、食器をキッチンに運ぶ龍巳。

それを見つめながら、どうしても納得のいかない穂華。
あ━━━━!!
「たっちゃん!」
「ん?なぁに?」
「私、たっちゃんのお手伝いする!」
「え…?」
「フフ…それなら、いいでしょ?」

「………そうきたか…(笑)」
「フフ…」
「負けた…!悔しい~(笑)!」
少しどや顔で、龍巳を見る穂華だった。
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