周王 龍巳を怒らせるな
どうしよう…放れたくない
それから食事に誘われた。

「穂ちゃん、何?
ジッと見られたら、恥ずかしいな…////」
「あ、ごめんなさい!そうですよね。
失礼なことをして、すみません!
一緒にお食事出来てることが、夢みたいで……」
「フフ…可愛いね。
“夢みたい”なんて……」
「だって、あり得ないので。
私と周王さんが恋人になれるなんて……
てっきり先輩とお付き合いしてると思ってたから」
少し俯きがちに話す、穂華。

「先輩って、美里って人のこと?」
「あ、はい」
「アプローチされたけど、僕は最初から穂ちゃんを狙ってたからね。
断ったよ!」
「え?私?」
「あの中で一番可愛くて、綺麗だったから」
「え?そんな……」
「他の奴等にも狙われてたんだよ?穂ちゃん」
「ま、まさか!?」
「穂ちゃん、天使みたいだから」
まっすぐに熱っぽく見つめられ、更に心が奪われてく。

「あの…周王さん……
“穂ちゃん”って……」
「あ、嫌だった?
じゃあ…何て呼べばいい?」
「違うんです!どう呼んでくれても大丈夫です。
長月でも、穂華でも!
ただ、穂ちゃんなんて言われたの初めてだったから」
「じゃあ…僕だけ?この呼び方」
「はい」
「嬉しい!僕だけの特別みたい!」
「フフ…周王さんも、天使…いや、本当に王子様みたいですね!綺麗……」
うっとりとして、龍巳を見る穂華。

「………ねぇ…俺のことも“たっちゃん”って呼んで?」
「え?
あ…はい。
えーと…た、たっちゃん…」
「フフ…なぁに?穂ちゃん」

幸せな時間が流れていた。
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