周王 龍巳を怒らせるな
壊してあげる
え━━━?
俺?
穂華?

この人は……
誰……?

やはりこの人は━━━━━
とんでもない人だった。

「たっちゃん、お願い…離して?」
「離して?って、何?」
「たっちゃん怖い……」
「言ったよね?
放さねぇよ……絶対に…」
「お願い…怖い……」

「フフ……ヤダー!
穂ちゃんは、今から壊れるんだよ。
俺が、今から、壊してあげる」

穂華は一晩中、龍巳に抱かれた。

夜が更けて、明けても、終わらない━━━━
逃げようと背を向けると、後ろからも迫られる。

「やあぁ……んぁ…あ…あぁ…」
「穂ちゃん…放さないよ……何があっても…」
「お願……許して…あぁ…」
「まだまだ……いっぱい…愛し合おう……放さない…絶対に…放さない…穂華は、俺のモノ…一生、放さないよ……」

完全に外が明るくなってやっと解放され、ずっと叫ぶように声を出していた穂華。

声が出なくなっていた。
「穂ちゃん、お水だよ。起きれる?」
「あ……」
「あ、喋っちゃダメだよ!」
穂華はゆっくり起き上がった。
でもあんまり力が入らず、痺れていた。
痛みで、顔を歪める。

「大丈夫?」
龍巳が穂華を支え、自分の足の間に座らせた。
「お水、飲める?」
後ろからコクッと頷く、穂華。
グラスを渡すと、両手で受け取りゆっくり口にもっていった。

「今日は、仕事お休みしようね。
僕が連絡しとくから。大丈夫だよ」
再び頷いた、穂華だった。

この日は龍巳が全て穂華の身の回りのことをし、過ごした。

それから、龍巳の支配が始まった。
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